l-92乳酸菌って何?機能性表示食品なのか?

機能性表示食品について、私たちは正しい情報を得ながら商品を選べるようになりました。しかしながら、どのような食品なのかしっかり理解できている人は、それほど多くありません。一方で、l-92乳酸菌も体に嬉しい働きをするとして注目を集めています。

ここでは、l-92乳酸菌とは何なのか、機能性表示食品との関連性などについても触れていきます。

『プラセンタの機能性表示食品が登場!その効果とは?』

機能性表示食品は、平成27年4月からスタートした制度です。それまで、食品の機能性を表示できるのは、特定保健用食品(通称トクホ)と、栄養機能食品に限られていました。栄養補助食品や健康補助食品、栄養調整食品などの表示がされているものは、一般食品の分類に分けられていたのです。

健康意識の高まりもあって、このように機能性が明確になっている食品は、今後ますますニーズが増していくでしょう。そこで誕生したのが、この機能性表示食品でした。特定保健用食品の場合は、個別に国の厳しい審査を受け、許可を受けなければなりません。

栄養機能食品は、届出等は必要ないものの、機能性を表示する際の表現は、国によって定められたものに限られています。機能性表示食品の制度では、国が定めたルールに基づいて、事業者が食品の安全性や機能性に関する根拠を販売前に消費者庁へ届ければ、機能性を表示することが可能です。

「本品には○○が含まれているため、○○の機能があります。」などのように具体的なものとなっているため、目的に合わせて最適なものを選びやすいでしょう。また、生鮮食品も含めてほとんどの食品が対象となっています。

対象外となっているのは、特別用途食品(特定保健用食品を含む)や栄養機能食品、アルコールを含有する飲料や脂質、コレステロール、そして糖類(単糖類または二糖類であって、糖アルコールではないものに限る)、ナトリウムの過剰な摂取につながるものです。

そのため、様々な食品が、この制度の対象内となることができました。

l-92乳酸菌の正式名称は、「ラクトバチルス・アシドフィルス・l-92株」です。アサヒグループで保有する乳酸菌の中のひとつで、アレルギー症状を抑制する効果を持っているとして注目されています。アサヒグループでは、古くから乳酸菌・発酵乳研究に取り組んできました。

その中で、このl-92乳酸菌は、体を健康維持するために欠かせない免疫機能に働きかけることが分かったのです。

l-92乳酸菌がこれほど多くの注目を集めている理由としては、アレルギー症状の改善が期待されていることが挙げられます。そもそも、アレルギー反応は、どのようにして起こるのでしょうか。花粉やホコリなどは、本来、体に対して特に害のない物質です。

しかし、免疫細胞が過剰反応してしまうと、体にダメージが加えられていない状態にも関わらず、それらを排除しようとしてしまいます。さらに、一度この免疫細胞が過剰反応してしまうと、体の中にlgEという抗体が作られます。

そのため、次にその原因となる花粉やホコリに触れた時は、強く反応してしまうように。まさに、負の連鎖と言えるでしょう。アレルギーの原因としては体質が挙げられており、さらに、免疫のバランスも要因のひとつとされています。

免疫のバランスが崩れることで、アレルギー反応に結び付いているのです。アレルギー反応に大きく関わっている免疫細胞は、Th1細胞やTh2細胞と言われるものです。基本的には、この二つの細胞はバランスを保っていますが、何らかの要因によってTh2細胞側に大きく崩れてしまうのです。

バランスを崩すと、lgE抗体が過剰に誕生し、様々な症状が出てしまいます。

そして、l-92乳酸菌には、このバランスを整える効果が期待されています。Th1細胞を活性化させる力を持っており、崩れてしまったバランスを改善できるのです。花粉症やアトピー症状を持つ人を対象として、実証実験も行われており、このl-92乳酸菌を連続摂取することで、一定の効果が見られたとの内容が報告されています。

猛暑を振るう夏は、体調管理も途端に難しくなります。だるさを感じたり、食欲が出ないといった症状に悩まされる人も少なくありません。体内では免疫力が低下し、体調を崩す原因にもなってしまいます。高温多湿になる夏は、冬に比べると感染症が少ない印象もありますが、実はアデノウィルスなどの感染症が起こりやすい時期でもあります。

さらに、暑さで免疫力が低下しているため、回復するまでには長い期間かかるケースもあります。これを防ぐためには、常日頃から体の免疫力を高めておくことが大切だと言えるでしょう。夏の時期には、NKと言われる免疫細胞の活性化が低下することが分かっています。

このNK細胞は、暑さによってストレスを感じると、その機能を低下させてしまうのです。NK細胞は、ウィルスに感染した細胞を壊して、体の中でそれ以上増えるのを防ぐ役割を持っています。つまり、NK細胞が上手に働かないと、夏風邪にかかりやすくなってしまうのです。

アサヒグループでは、このNK細胞の低下に対して、l-92乳酸菌がどのような働きをするのか、マウスによる調査を行っています。試験の結果、高温飼育中でも、連続してl-92乳酸菌を含んだエサを摂取したマウスでは、NK細胞の活性度に関して、低下が抑えられていたことが分かりました。

つまり、l-92乳酸菌乳酸菌は夏場の免疫力の低下に対して、一定の効果が得られるのです。

アサヒグループからは、l-92乳酸菌を含むものとして、「守る働く乳酸菌」という乳性飲料が発売されています。

この商品はペットボトルで、100ミリリットルと200ミリリットルの二つのサイズがあります。また、その他には、乳酸菌サプリも販売されています。

「守る働く乳酸菌」は、スーパーなどで手に入りますが、乳酸菌サプリの場合は通販から購入することができます。この二つの商品は、2022年6月時点で、機能性表示食品にはなっていません。

l-92乳酸菌は、アサヒグループが長年研究を行い、様々な実証実験を元に効果があることが分かっています。機能性表示食品ではありませんが、継続摂取することで、一定の効果は期待できるかもしれません。もちろん、個人差はありますが、アレルギー症状を緩和させたい場合や、夏場の免疫力をアップさせたい場合は、日々の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。